圧倒的な突き押し相撲で多くのファンを魅了し、相撲界を牽引する存在で知られる元大関・貴景勝関。2024年9月場所限りでの現役引退の発表があり、貴景勝 引退後は「痩せた」という声が多く聞かれるようになりました。今回は貴景勝関がなぜ痩せたのか、現役時代の怪我との壮絶な闘いや引退後の現在の活動などについてご紹介します。
元大関の貴景勝とは
元大関の『貴景勝貴信(たかけいしょう たかのぶ)』は、兵庫県芦屋市出身の力士で、貴乃花部屋より2014年9月場所にて初土俵を踏みました。2019年3月場所終了後には大関に昇進し、引退するまで幕内最高優勝4回などの成績を残した力士です。1996年8月5日生まれの29歳で、引退後は年寄・湊川を襲名し常盤山部屋の部屋付き親方となっています。
貴景勝は引退後に痩せた?
引退後は年寄・湊川を襲名し常盤山部屋の部屋付き親方となった元大関の貴景勝関、日本相撲協会公式から九月場所前後に引退相撲・断髪式を行う親方たちの写真の公開があり、元貴景勝の湊川親方の近影がファンを驚かせました。
岩友親方(元碧山)、湊川親方、振分親方(元妙義龍)の3人が並んだ1枚が公表されたのですが、現役時代の体重は165キロあったという湊川親方(元貴景勝)の面影はなく、現在は大幅に体重を落とし、隣の2人と比べても小柄に見えるほどになっていたのです。NHKやABEMAの大相撲中継で解説を務める中でも、そのたびにスリムになっていく様子が話題となっていた湊川親方ですが、公開された写真からは多くの驚きの声が上がっていました。
なぜ痩せたのか
湊川親方(元貴景勝)といえば現役時代も相次ぐ怪我との闘いに明け暮れていたことでも知られています。主に首の怪我や足の怪我、内臓の不調が主な痩せた理由とも言われており、特に突き押しを得意とする貴景勝関にとって、首への負担は大きく思うような稽古ができない時期もあったといいます。その他、膝や足首の怪我は、体重を支え土俵で動き回る力士にとって致命的で、足の怪我が原因で体力の維持が難しくなったり、具体的な病名は公表されなかったものの、貴景勝関は内臓の不調にも悩まされていた時期もあり、そこから食欲不振になり体重が減少したという話もあるようでした。
引退後の体調管理の影響?
現役時代に様々な怪我などと闘っていたという湊川親方(元貴景勝)、引退後は体調管理に細心の注意を払っていたのではないかと言われてます。一般的に現役を終えた力士は、現役時代ほど食べたりしなくなることがほとんどで体重が減少するのはよくある話だと聞きます。しかし、湊川親方の場合は激変するほどの減量…現役を終えて食事管理を徹底したことで現在の体型になったことが考えられます。単に「痩せた」というだけでなく、そこには自身の身体と真摯に向き合い、相撲人生を長く続けていくための努力があることを理解しておく必要があるようでした。
現役時代の苦悩、そして引退
ここまでご紹介したように湊川親方(元貴景勝)は、度重なる怪我に見舞われながらも、そのたびに不屈の精神で土俵に戻ってきていました。大関という地位は、相撲界において非常に重い責任を伴い、怪我で休場が続けば地位陥落の危機にもなります。
貴景勝関は、時に満身創痍の状態で土俵に上がり、その責任を果たそうとしました。痛み止めを打ちながら出場を続け思うような相撲が取れない、得意の突き押しが思うように出せない、足が動かなかったりする場面もあり、多くのファンは心配になったことでしょう。それでも、貴景勝関は決して諦めず懸命なリハビリと体調調整に励んだといいます。そういったこともありながら2024年9月場所まで土俵に立ち続け、多くのファンを盛り上げてくれたことは感謝しかありません。
引退後の活動とこれから
度重なる怪我と向き合いながら現役を引退した湊川親方(元貴景勝)ですが、彼の相撲に対する情熱は衰えたわけではありません。引退後、年寄・湊川を襲名し常盤山部屋の部屋付き親方となった湊川親方、今後は相撲界に残り、後進の指導にあたることが決まっています。断髪式は2025年10月4日に両国国技館で行われる予定で「九月場所前後、マゲに別れを告げる親方たち」は岩友親方(元碧山)、湊川親方(元貴景勝)、振分親方(元妙義龍)の3人で多くのファンは新しい親方の活躍に期待しています。これから始まっていく湊川親方の「親方」としての活動、貴乃花部屋という名門で育った親方がどんな指導・活動していくのか注目が集まります。
年寄とは
相撲界における「年寄」とは、現役を引退した元力士で構成された、協会および大相撲の運営を行う人員の総称のことをいいます。現役時代の成績や日本国籍の保有、協会の承認などの要件を満たす必要があり、定数は105で、在職中は取得した枠に付与された名称(年寄名跡)を名乗ります。年寄は協会と人材育成業務の委託契約を結んでおり、親方にとって最も重視される仕事は部屋に所属する力士に対する指導・監督で、技術面の指導はもちろん、若い力士が部屋で集団生活を送るという相撲界の慣習から精神面の指導、さらにはちゃんこ番や付き人といった部屋内での力士の雑務についても親方が責任を負うこととなります。若手力士の育成や、部屋の運営などを主に行いながら多岐にわたる業務に携わることになり、親方の経験と相撲への深い知識を若手力士に繋げていく役となります。
まとめ
今回は貴景勝関がなぜ痩せたのか、現役時代の怪我との壮絶な闘いや引退後の現在の活動などについてご紹介しました。現役時代には多くの怪我や体調管理に苦しめられてきた湊川親方(元貴景勝)、その経験は今後育てる多くの弟子たちに引き継がれていくことでしょう。平安時代より前から土俵の上で力士が組合って戦う形を取る日本古来の神事や祭で、同時にそれを起源とする武芸や武道の一つとして楽しまれ続けている相撲、繋がれてきた歴史は古く現在でも多くの人に楽しまれています。今後も伝統を大切にして発展していってもらいたいものです。