長州力さんと言えば、
食ってみな 飛ぶぞ
の名言で知られるおじさん。という認識が近年では高まりつつあります。
しかし、元々はプロレスラーです、長州さんは。
ミュンヘンオリンピックでは、レスリングの韓国代表だったんですよ!
この投稿をInstagramで見る
テレビで見る長州力さんは、まだまだその本性を出し切れていません。
『飛ぶぞ』の解釈についても、プロレスファン歴30年の私からしてみたら、もっともっと深い意味があります。他のプロレスファンの方も、きっとそう思っているはず。
というわけで、今回は長州力さんの『飛ぶぞ』の意味について深堀り、考察してみたいと思います。
[the_ad id=”243″]
長州力『飛ぶぞ』の一般的な解釈
この
食ってみな 飛ぶぞ
が生まれたのは、千鳥の番組『相席食堂』に長州力さんがゲスト出演した時に生まれたとされています。ホタテを食べた直後に長州さんが発した言葉ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ndboA84gKtE
『飛ぶぞ』という言葉の意味は、
飛び上がってしまうような味がするぞ
ということであり、つまりは、
これは際立って美味しい食べ物だ
ということになります。
[the_ad id=’580′]『飛ぶ』というフレーズはアンダーグラウンドな世界ではよく使われていたことから、それを表の社会で効果的に使ったということで、新鮮味が出ているという流れです。
そして、他の人が『飛ぶぞ』なんて表現したらもしかしたら炎上案件かもしれないのですが、長州力さんという、異次元の生命体が発した言葉だったことから、別の意味で炎上したわけです。
この『飛ぶぞ』を日常会話で使う人も増えていて、
『あのカフェのパンケーキ食ってみな、飛ぶぞ!』
『ワイスピの新作、観に行ってみな。飛ぶぞ!』
というように、イイもの、刺激的なものを説明する時の常套句になりつつあります。
私の友人で、
『飛行機に乗ってみな。飛ぶぞ!』
と言って激しくスベった奴もいます。
最近では、『飛ぶぞTシャツ』まで登場しています。
上記が、一般的に言われている、『飛ぶぞ』が意味することになります。
しかし、もしあなたが長州力さんの世界をもっと堪能したかったら、過去の長州力を知っておくことがその第一歩となります。
長州力の語録・名言・迷言!実はポエマーだった長州力
長州力さんの名言と言ったら、『飛ぶぞ』の他に
ハッシュドタグ
形変えてしまうぞ
キレちゃいないよ
ナニコラタココラ
といったものを思い浮かべる人が多いと思います。
伝説のコラコラ問答!
https://www.youtube.com/watch?v=XMhJuGY9tgg
しかしこれはいわば一般向けです。
長州力さんは若い頃から、プロレスマスコミの取材を受け続けて、その中で独特のボキャブラリーで難解な表現をすることで知られていました。
なんというか、ポエムみたいなことを突然言うんですよね。どう解釈したらいいんですかこれ、って相手が思うような。『飛ぶぞ』なんて、まだわかりやすいですよ。
具体例を挙げていきます。
無事故無違反で名を残した人間はいない
これは前田日明さんに投げた言葉なんですけど、意味としては、
失敗せず、ズルもせずに何かを成し遂げられたやつはいない
ということになります。前田日明さんは新日本プロレスのリングで長州力さんの顔面を蹴って大怪我をさせてしまい、それが理由で解雇になったという因縁の過去があります。
時を経て和解した2人の会話の中で出てきたこの言葉は、許しの意味もあるんですね。
前田日明さんは、立ち上げたUWFという団体が崩壊したり、そのUWFで後輩だった安生洋二さんと刑事事件に発展するようなトラブルが起きたりもしてます。
さらには、前田日明さんがプロレス関係者を脅かす行為をしてしまいそれも事件になったりとか。
その顛末は船木誠勝さんが詳細を以下の動画で語っています。
そんな荒波を乗り越えて、現在は格闘技大会『ジ・アウトサイダー』をプロデュースして興業を成功させたり、YouTuberとしても活躍している前田さん。
つまり、『無事故無違反ではないけど名を残した』状態なわけです。
型破りで波乱万丈な人生を送っている人を『無事故無違反を避けられずに生きている人』と表現するのはポエマーだなあ、と思います。
同じ色でやってきて色を変えるっていうのはありえないですよね
これは、1999年の1月に行われた新日本プロレス東京ドーム大会の小川直也vs橋本真也戦を評したフレーズになります。意味、わかんないでしょ?(笑)。
この試合は、柔道上がりの小川直也さんが橋本真也に対して、プロレス的な要素を拒絶し、当初の予定(ブック)とは全く違うガチファイトを仕掛けた(=ブック破り)ために起きた、いわゆる不穏試合とカテゴライズされる案件です。
当時、新日本プロレスの現場監督だった長州さんはこう述懐しています。
だから同じ色でやってきて色を変えるっていうのはありえないですよね。それは絶対に成立しないんですよ。ただこの成立しないもののなかからインパクトを見出すっていうことは、その頃の小川選手には絶対できない。橋本だったら出せるのかなと思うぐらいのものは持ってると思うんですけどね。ただでも、あのふたりだけでそういう流れになったとは思わないですよね。やっぱりうしろには無理な色をつけようとした者がたぶんあったんですよね。それはちょっとダメですよね。
引用元:https://www.excite.co.jp/news/article/DailyNews_1020439/
この言い回しが、長州力の真骨頂です!『飛ぶぞ』どころの話じゃない…。
一体、どんな話なのか。意味不明な上記コメントを日本語に翻訳すると(笑)、こうなります。
小川は、橋本と同じプロレスのジャンルで試合してきたんだから、突然リアルファイトをその場でやるというのはあり得ないことだと思います。それは、総合格闘技とプロレスを同時にやるわけだから試合にならないです。そして、そんなめちゃくちゃな前提の試合の中で小川が存在感を出す技量はないと思う。橋本が逆の立場だったとしたら、出来るんじゃないかと思いますけどね。ただ、あの2人のやりとりだけであんな試合になったとは思えません。やはり、裏で猪木さんが無理に小川をけしかけたんだと思います。それはちょっとダメですよね。
いかがでしょうか。往年の長州ファンは、彼のインタビュー内容を脳内でこうやって変換しているんです(笑)。
勝ち負けは別として、どっかに何かがないといけない。
これは、『アントニオ猪木と長州力の違いは』を聞かれた時に答えたフレーズです。
具体的にはこんな感じ。
だから同じ色でやってて、なぜこんなにも違っていくのかなっていうのはどっかにあって。勝ち負けは別として、どっかに何かがないといけない。そのへんから僕は僕なりに何が違うのかなっていう部分は、僕は僕なりに見るようになったですね、いろんな部分を。そうすると、これはこういうことなのかなって。
引用元:https://news.infoseek.co.jp/article/dailynewsonline_1020437/
はい、これはもうわけがわかりません(笑)。
しかし無理くり翻訳するとですね、
自分なりに猪木さんとの違いを考えてみたけど、どちらが強いか、勝っているかということよりも、自分だけが持っているものを持っていないといけない。それが次第に解ってきたような気がする。
といったところでしょうか。
こうしてみると、長州さんのさりげない一言の中にも、表には出てきていない裏のミーニングも存在するんじゃないかと思った方がいいんですよね。
[the_ad id=”243″]
長州力の『飛ぶぞ』は意味が単純な話ではない説
最近では一般向けのテレビ番組に出るようになって、武藤敬司さんなんかと仲良く温泉に行ったりしている長州さん。
きっと、発言内容もテレビ受けするような、そして簡単かつわかりやすい表現を意識しているんじゃないかな、と私は思います。
もしこれが、プロレスマスコミ向けに発信するものだとしたら、もっと深い話が引き出せているんじゃないかなとも。
長州力の若い頃が凄い&恐い!武藤敬司との仲良し関係は現役時代から?(動画・画像で解説)
例えば、プロレスラーのインタビューをさせたら一級品のパフォーマンスを魅せてくれる吉田豪さんが『”飛ぶぞ”って、どういう意図で発言したんですか?』なんてことをうまい具合に質問してくれたら、結構面白いものが返ってくるのではと推察します。
うん。飛ぶって言ってもそれはそれなりに深いものなんですよね。その深いものを、それは僕の考えであって、テレビ番組に出て同じことをやってるんだけど、じゃあおまえはどうなんだって、それを押し付けることはないですよね。たぶん僕はちょっと深く考えすぎたんでしょうね。食ってみなっていうことについてもね。そういうものがいまホタテでもどこの食べ物でもあるかっていったら、たぶんもうないと思いますよ。それは今の時代は全然いいんじゃなかなと思いますけどね。
きっと、こんな風に喋ると思います、長州さんは(笑)。
私の解釈では、
食ってみな 飛ぶぞ
の本当の意味は、
めちゃくちゃ美味いぞこれ!ということだけでなく、人は何かのきっかけで大きく変わることができる。でも、それはトライした先にしかわからない。では、何をトライするべきかを判断するのに自分だけで片付けることはできなくて、そこに先導してくれる存在もいた方がいい。だから、『これやってみな。次のステージに行けるぞ!』というメッセージをどこかからキャッチした時は、そのチャンスを逃さないことだな。
という長州さんのメッセージなんじゃないかと思います。
…もう、ここまでお読みになった方についてはなんじゃらほいという状況かもしれませんが、これがプロレスファンなんだと思って下さい。
以上